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はじめに
ある日曜日、図書館で借りてきた本を読み終えた私は、嫁さんに「この本、すごく良かったから読んでみない?」と勧めました。
すると、嫁さんが「きょうみなかったら見ないよ」と返事が。
私は「興味なかったら見ないのは当たり前じゃん!」と笑って返したのですが、実は「今日、見なかったら見ないよ」って返事だったのです。
「今日読まなかったら、明日から仕事で忙しくて読めないよ」という意味だったんですね(笑)。
日本語って区切るところが違うと、意味が全然違ってしまいますよね。
そんなちょっとしたすれ違いの会話のきっかけとなったのが、喜多川泰さんの『手紙屋』という本です。
この本を通じて、「働くことの意味」や「人生の大切な教訓」について、改めて深く考える機会を得ました。
自己啓発書ではありますが、物語の形式で進むので、楽しみながら読み進められます。
特に、これから就職活動を控えているお子さんがいる方には、ぜひ親子で読んでほしい一冊だと感じました。
『手紙屋』は、10通の手紙を通じて人生や仕事について深く考えさせてくれる内容が詰まっています。
これからその教訓を紹介しますが、少しネタバレを含む内容になりますので、未読の方はご注意ください。
子供に就職活動前に読ませたい理由、そして親も読むべき理由
就職活動は、ただ「どの会社に入るか」を決めるだけの作業ではありません。
自分が社会にどう貢献できるのか、何を大切にして働くべきかを見つめ直すチャンスでもあります。
しかし、親としては子供に何をアドバイスするのか、どんなサポートが必要なのかを迷うことも多いのではないでしょうか?
『手紙屋』は、そんな子供が迷いや不安を抱えているときに大きなヒントを与えてくれます。
そして、親自身もまた、子供の将来を考えるときや、自分の人生を見つめ直す機会として、この本から多くを学ぶことができます。
私がこの本を親子で一緒に読んでほしいと思った理由は、「どう生きるか」「どう働くか」という視点を親子で共有し、話し合うきっかけにしてほしいからです。
特に、「企業選びで名前や規模にとらわれないこと」や「自分が本当に共感できる人たちと働くこと」の重要性を、この本は教えてくれます。
だからこそ、就職活動という大きな選択の前に、親も一緒にこの本を読んで、子供と一緒に考えてみてほしいと感じました。
親子で一緒に学ぶ『手紙屋』の10の教訓
ここからは、『手紙屋』で描かれている10通の手紙を通じて、親子で一緒に学べる教訓を詳しく紹介していきます。
それぞれの教訓が、子供の就職活動だけでなく、親としての気づきにもつながる内容になっています。
1. 物々交換
多くの人は、欲しいものを手に入れるために「お金を支払う」という考え方が一般的です。
しかし、本当は「物々交換」が、欲しいものを得るための基本的な仕組みなのです。
働くということも、会社が持っている「お金」や「休日」、「福利厚生」などと、あなたが持っている「労働力」や「スキル」をお互いにちょうど良い量で交換しているということです。
就職活動においても、企業があなたに与えるものに対して、あなたがどんな価値を提供できるかが問われます。
だからこそ、企業が求めるものを1つでも多く身につけ、自分の価値を高めていくことが大切なのです。
2. あなたの称号
多くの人は、他人に称号を付けるのが好きです。
しかし、残念ながら、「あの人はわがままだ」など、ネガティブな称号を付けてしまうことが多いのです。
一方で、ポジティブな称号を与えることで、その人はその称号にふさわしい行動を取るようになります。
例えば、「素晴らしい才能を持っている」と言われると、その人はその期待に応えようと努力し、実際に才能を開花させていくことがあります。
ポジティブな称号を与えることで、その人が偉大な存在や、他者に影響を与える人に成長する可能性も広がるのです。
親としても、子供に対してポジティブな称号を与えることで、子供の自己成長を促すことができるでしょう。
この教えは、家族間だけでなく、職場や学校でも役立つ、大切な考え方です。
3. 天は自ら助くる者を助く
成功する人とは、見返りや報酬を求めて行動するのではなく、その瞬間に自分のベストを尽くして毎日を生きる人です。
見返りを期待して行動するのではなく、常に全力で目の前の課題に取り組むことで、真の成長が得られるのです。
もし、会社の大きさや他人の頑張りといった「他力」を当てにして生きていると、困難な状況に直面したときに自分ではどうにもならない境遇に陥ることがあります。
だからこそ、どんな状況にあっても、他者に頼るのではなく、自分にできる精一杯のことをやるべきなのです。
自分の人生は、自分自身で作り上げるものです。
他力ではなく、自力で道を切り開く強さを持つことが、成功への鍵となります。
4. 思いどおりの人生を送る
人生が思いどおりにいかないとき、それは自分の知恵や勇気、行動力を使って成長するためのチャンスです。
成功者は「人生は思いどおりにいく」と言いますが、思い通りにいかない人は、そのチャンスを逃していることが多いのです。
この違いを生むためには、頭の中に天秤を用意することが大切です。
まず、片方の皿にあなたが「手に入れたいもの」を載せます。
例えば「野球が上手くなりたい」を目標にしたとします。
そして、もう片方の皿には、その目標と釣り合うだけの価値を載せる必要があります。
ここで大事なのは、ただ努力を載せるだけではなく、目標にふさわしい努力や対価を載せることです。
もし片方に「野球が上手くなりたい」を載せながら、反対側に「神頼みの100円」を載せても、釣り合いません。
なぜなら、野球が上手くなるために必要な価値は、しっかりとした練習時間や適切な練習方法といった具体的な行動だからです。
単に神頼みや、場当たり的な努力ではその天秤は決してバランスを取れないのです。
欲しいものにふさわしい対価を正しく載せることが、目標を実現するための基本です。
この教えは、仕事や人間関係、人生のあらゆる場面で応用できる大切な考え方です。
5. ある人の人生
人も会社も「人」です。
会社は「法人」という一つの「人」であり、長く生存していくためには、人も会社も同じように、次の2つが必要です。
- 多くの人から長期間にわたって必要とされること
これは、人も会社も同じです。
個人が社会で生き続けるためには、周りから必要とされる存在であることが大切です。
会社も同様に、社会から必要とされなければ存続できません。
働くことは、こうした必要に応える手段の一つにすぎないのです。 - 収入内で生活すること
これは、個人も会社も同じです。
支出が収入を超え続ければ、どんなに大きな会社や有名な人でも、やがて破綻してしまいます。
収入と支出のバランスを保つことが、長く生き続けるための基本です。
就職活動において大事なのは、財力や知名度で会社を選ぶのではありません。
その会社がどのように社会に必要とされているのか、その会社の「性格」や「価値観」に共感できるかを見極めることです。
つまり、就職活動は「大好きになれる人を探すこと」だということ。
企業の規模や知名度だけで選ぶのではなく、その会社の「性格」や「生き方」を大切にすることが、一番良い選び方だということです。
6. 自分に向いていることを探さない
多くの人は、「自分に向いている仕事」を探そうとして、就職先を決めようとします。
しかし、その仕事が本当に自分に向いているかどうかは、実際にやってみなければ分からないのです。
長い時間をかけて仕事に没頭することで、初めて開花する才能もあります。
最初は難しいと感じたことでも、続けていくうちに自分の強みを見つけ、仕事が楽しくなることもあります。
つまり、「向いている職業を探す」というのは幻想です。
自分に向いているかどうかを考えるよりも、興味を持てる会社を探すことが最も重要です。
そして、どんな業種や規模の会社に入っても、自分にできる精一杯のことを続けていけば、最終的に自分が思い描くゴールにたどり着けるのです。
7. 急がば回れ
子供の頃から、多くの人は「必要条件を満たすために他のものを捨てて努力する」ことで、自分の目標に近づこうとします。
しかし、必要条件だけを満たしても、十分条件を満たさない限り、自分が本当になりたいものになるのは難しいのです。
夢を持って生きているなら、ただ必要条件を満たすだけでなく、様々な経験をしたり、必要以上の勉強をしたりして、より深く成長しようとするはずです。
最短ルートで目標に向かうのが最善だと思われがちですが、その職業に就くための最短ルートが、必ずしもその道で成功するためのルートとは限りません。
人生には、時折目の前に「壁」が現れます。
この壁は、あなたが成長するために必要だからこそ現れるのです。
同じ出来事でも、人によっては大きな壁と感じるかもしれませんし、何の障害とも思わない場合もあります。
あるいは、その出来事を楽しむことさえできるかもしれません。
だからこそ、目の前にやってくることを取捨選択するのではなく、全力を注いで生きることが大切です。
自分の目標をしっかりと持ったその瞬間から、自分の人生は本当に始まります。
その目標のために、今日という日を全力で生きる姿勢が、人生を充実させてくれるのです。
8. あなたの成功は世界を変える
ビジネスとは、多くの人から必要とされ、その結果として報酬を得ることです。
どんなビジネスでも、多くの人に価値を提供し、彼らから必要とされる存在になることが成功の鍵です。
もしあなたが描く夢が大きければ、その夢を実現するために立ちはだかる壁も大きくなり、乗り越えるのが難しくなります。
しかし、その壁が高くなるほど、あなたが幸せにしたいと考えている人々が、あなたを応援してくれるようになります。
なぜなら、あなたが幸せにしたい人数が、その壁を越えたときに幸せになる人々の数だからです。
つまり、応援してくれる人たちは、あなたが成功することで幸せになる人たちなのです。自分だけでなく、周りの人々を幸せにするために努力することで、その影響はより大きくなり、多くの人に良い影響を与えることができるのです。
9. 自分を磨き、行動する
自分を変えるためには、学び続け、行動を習慣化することが大切です。
例えば、自分を成長させてくれるような本を読み、そこから得た知識を元に自分の意見を書き出すことで、自己成長につながります。
しかし、これを一度やるだけではなく、習慣化することが重要です。
さらに、行動を始めたら、動き続けることが大事です。
止まっている人は止まり続けようとし、動いている人は動き続けるという、まさに慣性の法則のように、一度動き出すと、その勢いを保ち続けることができます。
逆に、一度止まってしまうと、再び動き出すのは難しいものです。
だからこそ、一度動き始めたら、そのまま動き続けること。これが自分を成長させる秘訣です。
10. 人生の始まり
成功に必要なのは才能ではなく、情熱を持ってやりたいことに取り組むことです。
情熱を注ぎ続けることで、自分の才能を開花させることができます。
だからこそ、成功する人は「情熱を持っていたから成功し」、失敗する人は「才能が足りない」と理由にするのです。
もし、どうしても実現したい目標や夢があるなら、勇気を持って行動することが必要です。
才能に頼るのではなく、情熱を持ち続けて行動し続けることが、成功への鍵なのです。
夢に向かって情熱を持って行動し続けることができれば、今では想像もつかないような奇跡を、自分の人生で経験することができるでしょう。
まとめ
『手紙屋』は、子供の就職活動だけでなく、人生全体に対する視点を変えるきっかけを与えてくれる一冊です。
子供たちは、ただ就職先を選ぶだけでなく、自分が何を大切にして生きていきたいのかを考える貴重な機会を得られます。
加えて、親としても、子供がどんな道を進むべきかをアドバイスするうえでの指針を見つけることができるでしょう。
親子で一緒にこの本を読むことで、子供の将来や仕事について深く話し合う機会を作れます。
それは単に「就職活動のサポート」だけでなく、親自身も自分の価値観や生き方を振り返る良いきっかけにもなるはずです。
親子で成長し合い、未来に向けて歩んでいくためのヒントが詰まったこの本は、家族の絆を深めると同時に、互いに新しい視点を得るための素晴らしい道しるべとなります。
ぜひ、親子でこの一冊を手に取って、共に学び、共に成長していってください。